富士山に登ってみよう!(夏編)

富士山は言わずと知れた日本最高峰の山であり、日本を象徴するものとして国外においても広く知られています。2013年には世界文化遺産に登録され、さらに世界的な認知度が高まっています。
富士山への入山者数は上昇基調にあり、2017年度に富士山へ入山した方の総数は約28.5万人です。
今は日本全国どこでもそうなのですが、外国人の方がたくさん来られています。
私は外国人登山者を見て度々驚いた経験があるのですが、以下にその時のエピソードを挙げてみたいと思います。
1:タンクトップを着て半ズボンをはいている。
2:ザックを持っている人は少なく、簡単なデイパックやショルダーバックを持っている。
3:レインウェアーがテーマパークで販売されているようなポンチョである。
4:靴はスニーカーならまだマシな方で、サンダルをはいている人までいる。
このように外国人にとって富士山は山ではなく観光地と認識されているのです。
どう考えても1~4の事例はやりすぎです。危険なので絶対やめましょう。
とはいえ確かに私も日本の3000m級の高山で”一番簡単に登れる山”は富士山であると思っています。
ですが、それは”山開きしている期間では”という条件付きなのです。
ではそれ以外の時はどうなのかというと、富士山は”最も登るのが難しい山”と言えるかもしれません。それについてはまた改めて記事を書きますね。
富士山の山開きの期間はいつなのかと申しますと、2018年度については吉田口の7月1日を除いて、後の3箇所は”7月10日から9月10日”までです。*閉山は吉田口も同じです。
この夏山の期間でしたら、山小屋のほとんどが24時間営業で、深夜でも必ず登山者が歩いているので安心です。
ルートに関して、間違えやすい分岐は確かにありますが、山小屋がたくさんあり、仮に誤った道を選択したとしても遭難することは無いです。
また、ツアーコースの多くは下山にブルド―ザー道を使うので危険な所がありません。
このように、初心者の方にとっても登りやすい環境が整っているので、多くの方が頂上に辿り着く事が出来ます。それでも頂上まで到達できる方は全体の7割ぐらいです。
では、どのような理由で登山者はリタイアしてしまうのでしょうか?
登頂を途中で断念する理由として最も多いものは高山病です。
高い所に登ると空気密度(気圧)が低くなり富士山の山頂では平地の約3分の2程になります。その為呼吸によって取り込む酸素の量が減り高山病になります。目安としては海抜2500mを超えると高山病にかかるといわれています。
私は富士山が世界遺産に認定された年(2013年)に4回、その次の年には3回ツアーリーダーとして若しくはガイドとして、夏山の富士山に登りましたが、参加者の約2割は8合目までで断念されています。
中にはバスを降りて登山口にある山小屋に泊まった後に高山病になり、5号目から歩き出せない方も何人かいらっしゃいました。
昼間は意識して呼吸するのでまだなんとかなるのですが、山小屋に泊まって眠っている間は無意識に呼吸の数が減り、知らず知らずのうちに酸素不足になってしまいその結果高山病を発症してしまうのです。
もちろん、北アルプスや南アルプスの3000m級の山を経験されている人でしたら問題はないと思いますが、富士山には本格的な登山経験が無い方がよく来られるので、高地に対する順応性はまだ培われていない蓋然性が高いでしょう。
よって事前に高山病対策はきっちりとしておくべきです。
高山病に関しては別記事もご覧ください。
以上のように、富士山は日本の最高峰でありながら比較的登りやすい山として親しまれています。
ですが観光気分で無事に登れるほど易しいものではありません。
十分装備を整えて、経験が少ない方は資格のあるガイドとともに登ることをお勧めします。ガイドがいれば、大人数を引率する場合は全員登頂するのが難しいにしても、少人数のパーティーならば一人ひとりの体調をみながら高山病にならない様にペース配分を考えて登る事ができます。
日本の最高峰の頂点に辿り着いた時の筆舌しがたい達成感を味わってみませんか。
山行には資格を持った山岳ガイドを是非お供にしていただければと思います。
ラパンブランへぜひお気軽にお問い合わせください。
山行案内について
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