私(えいじぃ)がスキー場に行くと、かなりスノーボーダーが多いなぁという印象を持ちます。そのスキー場にもよりますが、大体6割ぐらいがスノーボーダーで、4割ぐらいがスキーヤーといった感じです。
ところが、ラパンブランにチューンナップをご依頼に来られる方は、9割がスキーヤーで、1割がスノーボーダーといった感じです。
当店がスキーメインのショップであることも関係しているのでしょうが、色々なショップのオーナーさんに聞いても、チューンナップの依頼者は圧倒的にスキーヤーの方が多いとのことなので、まだまだスノーボーダーの方にチューンナップの必要性が浸透していないということは事実としてあるのでしょう。
やはり私としてはスノーボーダーの方にもっと快適に滑っていただきたいし、もっと上手くなって高度な技を覚えていただきたい、という思いがありますので、早く上達するために必要なチューンナップがもっと浸透していけばいいなと考えているわけです。
そうはいっても今一つピンと来ないんだよなぁ~という方もいらっしゃると思うので、今回は『ソール』の視点に立ってチューンナップの必要性を説明したいと思います。
【ソールの素材】
スノーボードのソールには通常ポリエチレンが使われています。ポリエチレンは、食品用のラップから、コンテナまで様々な用途に使われていて、耐候剤やカーボンブラックを添加することにより、数十年の耐用年数が求められる電線被覆、鋼管被覆にも利用されています。
ポリエチレンは強度が高く、加工しやすく、かつ防水性も優れているのでスノーボードのソールにうってつけの素材なのです!
【成形法の違い】
スノーボードのソールの素材に使われるポリエチレンを成形する方法として、大きく2つの製法があげられます。それは 『エクストル―ド成形』と、『シンタード成形』です。
[エクストル―ド成形]
アルファベットで綴ると extrude となり、これを日本語に訳すと『押し出して成形する』という意味になります。
エクストルード成形は粒や粉末状のポリエチレンを加熱して液体状にし細長いノズルから外に押し出し、冷やして板状にする成形法です。手間とコストがかからないので手軽に作ることができます。
[シンタード成形]
アルファベットで綴ると sintered となり、これを日本語に訳すと『焼結型』となります。
『焼結』とは、粉体を加圧成形し、融点以下の温度で時間をかけて熱したとき、粉体粒子の間に結合がおこって固体になる現象をいいます。
分子量の多い粉末状のポリエチレンを『焼結』させて高密度の物体をつくり、それを『大根のかつらむき』のように薄く切り出して板状にするという成形法です。
【それぞれの違い】
シンタード成形の方が手間がかかる分値段は約3倍ほどするのですが、ソールの硬度は高く、耐久性や耐摩耗性にも優れています。またワックスも染み込みやすいという特徴があります。
ただ、シンタード成形のボードはワックスが染み込みやすい分、汚れが浸透したり、酸化が進むのも早いといわれています。シンタード成形のボードの方がメンテナンスにより気を使わなくてはいけません。
でも、「それなら私のボードはエクストルード成形だから、メンテナンスしなくていいや」と結論づけるのは残念ながら間違いです。あくまでも『相対的に』エクストルード成形のボードは汚れや酸化には強いという意味ですから・・・・
【メンテナンスしないとどうなる?】
まず、前提としてポリエチレンのソールはワクシングが絶対必要なのです。ワクシングしないと保護されていない生身のボードで滑ることになるわけですからどんどん「やけて」しまい、滑走面に傷が入り、酸化も進んで本来の性能は損なわれていきます。当然スピードは落ちるでしょうし、ターンもしづらくなります。
それがさらに進むと強度が低下してしまい、ついには『コア材』の腐敗につながります。その状態で滑ってボードが折れて怪我をしてしまったらと想像すると・・・コワイですよね。
そういうわけでワックスをかけて摩耗や酸化からボードを守るわけなのですが、リキッドワックスはあくまでも表面を保護しているだけであって、滑っているとだいたい1日たてば無くなってしまうでしょう。だから毎日汚れを取ってワックスをかけ直すわけです。
【やっぱりチューンナップが必要!】
定期的にチューンナップに出していただいて、ホットワックスをかけるとボードの内部にワックスが浸透していきます。なので表面のワックスがとれてしまってもボード内部のワックスが徐々に表面へと出ていってくれるのでソールを長く保護してくれる(滑る距離にもよりますが5日ぐらい)のです。
また、どれだけ慎重に滑ったとしてもソールが無傷で終わるというわけにはいきません。ソールに細かい傷がついたり毛羽立ったりは避けられないでしょう。それを放置すると劣化がより早く進むことになります。そこでチューンナップによって滑走面のリペアを施し、サンディングすることによって滑らかなソールに戻すわけです。
【さいごに】
スノーボードをする方で、たとえ競技志向ではなかったとしても、下手に滑ろうとか、全く上手くならなくてもいいって思って滑っている方はいないと思います。上達した方が間違いなく楽しいし、怪我なく安全かつ快適に滑れた方が充実度は高いはずです。
そのように考えれば、多少のコストはかかったとしても、チューンナップに定期に出すというのは理にかなった選択なのではないかと思います。
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